GamePM#9イベントレポ

2月5日にGamePM#9を開催してきました!
http://sites.google.com/site/gpmahome/studysession09


今回は定員を拡張して、全部で45人ほどで行いました。
会場はいつもの恵比寿スバルビルの貸し会議室。(いやー、広かった!w)
会場が広くて人も多くてドキドキでしたが、おかげさまで楽しい会に出来ました!

発表「ゲームデザインは誰のために行うのか(その2)」

発表者: Dugさん
前回LTを行って頂いたテーマの詳細版です。


「ヒットする」のゲームデザイン ―ユーザーモデルによるマーケット主導型デザイン

「ヒットする」のゲームデザイン ―ユーザーモデルによるマーケット主導型デザイン

「ヒットする」のゲームデザイン ―ユーザーモデルによるマーケット主導型デザイン
この本の紹介を元に、Dugさんの意見を含めた内容です。


商業的には、ステークホルダー(利害関係者)全員がWin-Winになる必要があります。
ステークホルダーの中で、特にユーザーに注目した時、
実際にユーザーに随時プロジェクトに参加してもらうわけにはいかないので、
ある程度ゲームデザイナーがユーザーを代表することになります。


ゲームデザイナーは自分が面白いものを考えてゲームをデザインしがちですが、
そのままでは「ユーザー=ゲームデザイナー」のケースしか想定されておらず、不十分です。
そこで、MBTIという性格分析によって仮想ユーザーを考えてゲームデザインをしようという話でした。


MBTIとは、16タイプで性格別に人を分類する検査方法らしいのですが、詳しいことは省きます。
Wikipediahttp://ja.wikipedia.org/wiki/MBTI
ここで診断できた→http://www32.ocn.ne.jp/~emina/
(今やってみたらENTP型だった)


ここからが本題で、その性格分析によって
「勝つことに強い快感を覚えるタイプ」や「戦略を立てることが好きなタイプ」など、
具体的なゲームの要素に落とし込めるとのこと。


つまりは、各タイプが楽しめるようなゲームデザインを行うことで、
幅広い人が飽きずに楽しめるゲームが作れるということです。


……内容が濃くて、まとめ切れてない気がしますが、こんな感じでした!
以下、思ったこと。

  • 自分が他の人に案を話て、面白さが伝わらなかった原因が少し分かった。これは最近悩んでたところなので、目から鱗
  • 今回はユーザーに対しての話だったが、開発者間でも面白さを伝える参考になる。
  • →よく現場で起こる「面白い」「面白くない」論争は、各々がこの論理を知っていれば、「なるほど、自分のタイプには面白くないが、他のタイプの人は面白く感じるのか」と思えるのかも。
  • 仮想ユーザーを打ち立てる「ペルソナ」の考え方に似ているかも(ペルソナ→http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/persona.html


ゲームデザインの指標」という今まで私が持っていなかった視点でのお話で、非常に面白かったです!
ゲームデザインの指標」の話をもっと聞いてみたい……。

発表「Share! 〜情報共有するためにサイバーコネクトツーが始めた事〜」

発表者: 株式会社サイバーコネクトツー ゼネラルマネージャー 渡辺雅央さん

テーマは「情報共有」。
二部構成になっていて、前半は実際の取り組みを具体例を交えてお話し頂き、
後半はみんなが直面しているだろう問題と、それに対する解決案や心構えの提案を聞かせて頂きました。
こちらも非常に濃いお話でまとめきれないので、特に気になった部分を摘出してお送りします。


プロジェクトという縦のラインでの共有はもちろんのこと、
プロジェクトを越えた横の欄での担当者(ネットワーク担当者、ツール担当者といったレベル)でのミーティングを定期開催。
複数ラインを動かしていると、こういった活動はかなり実を結びそう。


その他、タスクフォースという「ある問題を解決する」ためのプロジェクトチームを作っているそうです。
例えば、「バグ撲滅委員会」や「ローカライズ向上委員会」など。
あとTCRやTRCのような社内ゲームデザイン基準を決める「GRC作成委員会」というのが興味深かったです。
目的をハッキリさせ、期間を決めて(10ヶ月に設定しているそうです)やるのがコツとか。


他にも、他社とのラウンドテーブルの話もありました。


そして後半の、よくある出来ない理由とそれに対する解決策のコーナー。
聞き入っていてメモり損ねたので、詳しくは @s_ryuuki さんのレポート(http://d.hatena.ne.jp/s_ryuuki/20110207)や一番下に貼った方々のレポートが参考になります。


以下、雑記です。

  • 「上司は敵でなく戦友」は広めたい言葉。上司だけでなく、パブリッシャーの方とかも戦友。決して敵ではない。
  • 何かをカイゼンする(=変える)にはパワーがいる。思いついた時が一番瞬発的なパワーを発揮できる。→思い立ったが吉日。
  • ただし、自分の影響外から始めようとすると、「くじける→やっぱりうちでは……」となってしまうので、まずは自分の影響下で。
  • 「同じ思いを抱いている人とのラウンドテーブル」は少しの勇気があれば出来そう。
  • プレゼン・プレゼンシナリオが素敵!

ライトニングトーク

書籍紹介「Redmineによるタスクマネジメント実践技法 チケット駆動開発+テスト工程管理AtoZ」

発表者: 佃田吉晴さん


会場でも3割くらい(でしたっけ?)の方が使っているというRedmineの紹介。
ゲームの場合、ゲームデザイン、グラフィック、プログラム、サウンドと、
それぞれ管理しやすいタスクの粒度が違うのかなと感じました。


ゲーム制作は「秩序」と「カオス」のバランスが重要だと思っているのですが、
まさにそれが表面化するのがタスク管理です。
この分野はまだ、ゲーム業界として答えを出せてないように思います。
それだけ、語りがいのあるテーマ。

「5分で伝える効果的コミュニケーション手法」

発表者: 大樹友輔さん


心理学(?)の視点から、効果的なコミュニケーション方法を教えて頂きました。
よく何かを注意する時は褒めたあとに注意するというものがありますが、今回はそれの一歩進んだバージョン。
今まで疎かった分野なので、たった5分ながら得るものは大きかったです。
次回はぜひもっと長めの発表で!

イノベーションスプリント2011報告」

発表者: 田中宏幸さん


イノベーションスプリント2011というイベントの内容をエッセンス摘出バージョンでお送り頂きました。
↓こちらにもレポート記事あります。
http://www.ilinx-studio.jp/blog/?p=41


リーダーに必要な要素というのを紹介頂いたのですが、
最後に出てきた現実歪曲空間というのは非常に重要です。(リーダーじゃなくても重要)
ゲーム制作なんて新大陸を探すようなもんなので、ポジティブに乗り切ることはすごく大切なことだと改めて実感。


資料がSlideShareにアップされてます。
http://www.slideshare.net/swiftnest/2011-6828319

「バックワード・チェィニングによる人材育成方法の紹介」

発表者: 並木秀人さん

人材育成時に、成功体験を重ねて育てようというお話。
具体的には、プログラムで言うと「1.設計、2.設計レビュー、3.実装、4.デバッグ」などの手順ですが、
これを1からやらせるのではなく、4からやらせて、それが出来たら3を……という風に、後工程から順にやらせる方法です。


業務の難易度として最初のほうが難しいことが多いので、
そこで挫折して辞めてしまうケースを防止できるわけです。
自分の中でなんとなくでしか把握できなかった概念が言語化されて、スッキリしました!


スライド公開されています。(PDFです)
http://goo.gl/CyldY

ワークショップ「みんなでけぷと!」

KPTというポピュラーなふりかえり手法をみんなでやってみました。
いい気付きを得られた方もわりといらっしゃったみたいで良かったです。
具体的な方法等は他の方のレポートに譲ります。(手抜きしてスミマセンw)

懇親会

ダーツ&バー Twenty eight.st(http://r.gnavi.co.jp/e878900/)


人数が多かったので、貸し切りに出来ました!
今回は新規に来て頂いた方も多く、新鮮な気持ちでPMや業界について語り合うことが出来ました!
魅力的な方にたくさん出会えて、ホント楽しかったです。


あと二次会会場ではCG系(?)で使われている管理ツール「ShotGun Software」というのを紹介して頂きました。
まだちゃんと調べてないけど、あとで調べてみる。

#9を終えて

今回もホントいろいろな方に支えられて、なんとか成功で終えることが出来ました。
発表者の方はもちろんのこと、受け付けや会場準備、そしてワークショップの手伝いをして頂いた方、ありがとうございました!
また、参加者の皆さま。おかげさまで良い会にすることが出来ました。
そして他のスタッフ、いつも助けられてます。
#9をこのクオリティでお届けできたことを大変嬉しく思ってます。


さて、次回は#10を4月に開催予定です。
内容はいつもとちょっと違って、LT大会!
発表して頂ける方を大募集中です。
また詳細が決まりましたら、お知らせしますね。


ということで、ありがとうございました!

他イベントレポ

@thinca さん
http://d.hatena.ne.jp/thinca/20110206/1296933427

zerozigenさん
http://blog.zerozigen.com/?eid=992129
http://blog.zerozigen.com/?eid=992130

@s_ryuuki さん
http://d.hatena.ne.jp/s_ryuuki/20110207


他にもありましたら、せひせひご連絡ください。