ハルヒに学ぶ

今日はそのメンバーでカラオケへ。そこで、ハルヒ曲がいくつか入ったんですよ〜。
そのためか判りませんが、お風呂でボーっとしてたら自然とハルヒのブレイクした原因について考えてました。(ハルヒ知らない人すみません)
その内容をつらつらと書いてみようかと思います。
まぁ、当たり前のことしか言ってないかもしれないし、そこまで詳しくハルヒを知ってるわけじゃないので的外れなところもあるかもしれませんが、お付き合いを。(どっかのスタッフインタビューとかにおんなじこと書いてありそうだなぁ……)


まず原作が面白いこと、アニメの絵的なクオリティが高かったことなどは、当然ブレイクの要因にはなってるでしょう。
ただ、それだけでは良作止まりであって、こういうブレイクはしなかったはず。なんせ、たった1クールですしね。
いま求めたいのは良作→ブレイクに発展した要因なので、「キャラが立ってる」などの良作までの要因は置いておきましょう。


おそらく普通にやったら良作止まりなのは、スタッフもわかっていたんでしょう。
そこで彼らは、いくつかブレイクするフックを仕掛けてます。
一番判りやすいのが、「時系列操作」です。
ハルヒのアニメはわざと時系列をバラバラに見せて、原作をなぞるだけとは違う価値を生み出しました。
これは確かに注目されるのは確実ですが、賛否両論を巻き起こす賭けのようなものだったはず。
これに関してはどこかのインタビュー記事で、「最近の風潮として、原作モノだと原作知ってる人は原画が崩れてないかのチェックばかりになる。それを破りたかった」というようなことが書いてあったのを憶えてます。
結果、最初は賛否両論あったのかもしれませんが、現在ではすんなり受け入れられてます。


次に仕掛けていたのは、エンディングの「ハルヒダンス」。
エンディングでキャラたちが踊るアレです。
これはブレイクのために仕掛けたのか、「演出的に面白いんじゃない?」というところから始まったのかは判りませんが。
結果はネットなどで振り付けを憶えて踊る人たちが大勢でて、ブレイクの一端を担いました。(これを受けて、「らき☆すた」では明らかに狙ってましたね)
YouTubeなどの動画サイトが広まってる今、「ユーザーがネタ的な動画を作れる仕掛け」というのは重要なファクターなのかもしれません。


そして思いつく最後に仕掛けは、「God knows」。挿入歌です。
普通の挿入歌の使い方と違うのは、1曲丸まるライブとして構成していたところ。
これも意図して仕掛けてたのか、演出としていいものを求めた結果なのかはわかりません。
ただ、やっぱりああいう演出にしてたからには、仕掛けたっぽいなぁと。
というのも、アニメの演出は詳しくないですが、普通ああいうシーンだったら、キャラのモノローグとか入れたくなるじゃないですか。ハルヒでもキョンでもいいですけど、2分半もあったらそういうのやっぱり入れたくなりますよ。なのに、全く台詞ナシで通してるところを見ると、仕掛けたんじゃないかなぁって思います。
アクエリオンマドラックスもそうですが、曲って作品のブレイクの要因としては常連です。(その二つはネタ的な要素が受けたんだと思いますが) なので、そこは意識していたのかもしれません。
結果、そのシーンの作画のよさもあって話題になり、挿入歌にもかかわらず代表的アニソンとなってます。


と言う感じに、あの作品は良作からブレイク作品になるためにいくつか意図的にフックを仕掛けてあります。
確実に意図してたのは最初の項目のみですが、ブレイクの要因としてはあとの二つが「ネットの動画文化拡大」に上手く乗って、ユーザーたちが踊ったり歌ったりというのが一番強い気がします。


そして、その辺りから学ぶことは、「直球勝負でクオリティだけを追い求めていたら良作どまり。ブレイクには、クオリティ+仕掛け(フック)が必要」ということ。(黎明期なジャンルはその限りではありませんが)
最近だと、ネットで祭りが起こるような仕掛けが特に重要っぽいです。
ただここまでは大体判ってることだとは思うんですが、この仕掛け、言うのは簡単ですが正直難しいです。
まず、なかなか考え付かない。そして、リスクが高い場合があるわけです。(上の例だと、時間列操作は単に批判だけで終わる可能性があったわけですし)
ですから、仕掛けの発想が上手く出せて、リスクを取れたところがハルヒのすごさかなと。


まぁ、こういう綺麗に決まる場合だけでなく、「もっと露出を多く」とか現場側では反発したくなるような“仕掛け”もあるにゃありますけどねー(個人的には度が過ぎたレベルでの露出多くという注文は好きじゃないし、もうそういうのがフックになる時代は終わったかと)
ただ、こういうマーケティング的な発想で作品に影響を及ぼすところが、商品として作品を売るということかなと思いますよ。
真っ直ぐに作品のクオリティを求めたい人にとってはわずらわしい所かもしれないけど、個人的にはこういうところにも面白さを感じますわー。