「プロジェクトはなぜ失敗するのか―知っておきたいITプロジェクト成功の鍵」

プロジェクトはなぜ失敗するのか

プロジェクトはなぜ失敗するのか

普段成功を基準に「どうやったら失敗しないようにするか」と語られるプロジェクトを、失敗を基準に「どうやったら成功するようになるか」という視点で語ってみたこの本。
内容をとりとめもなく書き出してみると……

  • プロジェクトの目標把握。(プロジェクト憲章の作成)
  • 見積もり段階からのスコープの詳細化。ただし、あとで増える(スコープクリープ)のは避けようがない。
  • 計画変更を想定してプロジェクトを進める方法。
  • リスクマネジメント。
  • プロジェクト単位ではなく、企業単位でプロジェクトを読み解く。
  • PMBOKオススメ。

という感じでしょうか。


この本を一言で言うなら、「プロジェクトマネジメントの重要さを語った本」です。
とはいえ、「銀の弾丸*1ではないが、あった方がいいもの」程度に語られているので、受け入れやすいです。
また、理想だけを語ったものではなく、現実に沿って冷静に物事が分析されていてました。
これを読んだから何かが出来るようになるという本ではありませんが、なかなかオススメの一冊です。
PMBOK、今まで手を出さなかったけど、少し勉強してみようかな……。


あ、それと、初めて知った面白い用語「KKD」。
「KKDで見積もる」とか言うそうですが、なんだと思います?
これ、「勘、経験、度胸」の略なんですってw
「3K」みたいだ……。
否定的な使われ方が多いですが、KKDも必要であることはある程度認められているようです。

*1:銀の弾丸:IT業界では「コレがあれば生産性が倍に!」など、飛躍的に効率が上がるものを指す。大体が「そんなものはないよ」という使われ方。IT業界の古典「人月の神話 狼少年を撃つ銀の弾はない」が元ネタ。