「人月の神話―狼人間を撃つ銀の弾はない」

人月の神話―狼人間を撃つ銀の弾はない (Professional computing series (別巻3))

人月の神話―狼人間を撃つ銀の弾はない (Professional computing series (別巻3))

IT業界の古典、ブルックスの「人月の神話」を読んでみました。
おそらくIT業界で一番有名な書籍ではないでしょうか?
特に有名なのは、この本で述べられているブルックスの法則――「遅れているソフトウェアプロジェクトへの要員追加はさらに遅らせるだけだ」というものです。


もうひとつ有名なのが、タイトルにもある「狼人間を打つ銀の弾はない」というフレーズ。
IT業界というと、「新たな技術を使うと生産性が2倍3倍になる」と思いがちですが、そんな夢物語はないよというお話。
これについては現在一般的に言われている話としても、「新技術の導入直後は生産性が落ち、その後慣れてからも1.2〜1.3倍ほどにしかならない」あたりかと思います。


私が実際に読んだのは原著発行20周年記念増訂版なので、実は25年以上前の本になります。
それでもここに書かれている内容はいまも通用するものが多いということは、プロジェクトマネジメントの本質はたいして変わってないことを示しているのかなと。
ただ……正直に言ってしまうと、この本自体は歴史の勉強にしかならない部分が半分くらいあるのと(当時のPCを対象とした話とか)、文章がいまいち読みづらいので、IT業界の人が古典として読む以外は必要ないかとw
ここで語られているプロジェクトマネジメント的な要素は、他のプロジェクトマネジメント系の本(デマルコあたりがオススメ)でも語られているので、そっちで学ぶのがいいのではないでしょうか〜。