「100年の難問はなぜ解けたのか―天才数学者の光と影」──ポアンカレ予想に命を賭けた人々の物語

NHKスペシャル 100年の難問はなぜ解けたのか 天才数学者の光と影

NHKスペシャル 100年の難問はなぜ解けたのか 天才数学者の光と影

2000年に100万ドルの賞金を賭けられた7つの数学未解決問題のひとつ、ポアンカレ予想が2003年に解かれました。
証明したのはロシアの数学者、グリゴリー・ペレルマン


100年解かれなかった難問として数学界では有名でしたが、驚くことにペレルマンが賞金とフィールズ賞(数学のノーベル賞)の受賞を拒否したことで、一般にもその名が知られるようになりました。
本書はそんな謎に満ちたペレルマンと、ポアンカレ予想に命を賭けた人々のドキュメンタリーです。


元々はNHKのドキュメンタリー番組で、実は私もチェック済みです。
しかし、こっちの方がポアンカレ予想に挑んだ数学者たちの気迫のようなものが感じられました。

「例えば登山家は、普通の人とは違い、山で命を落とすことを恐れません。
 数学者も同じなのです。
 たとえ命と引き替えでもかまわない、世の中の他のことなど、
 愛する数学に比べれば、取るに足らないものだ」

数学にはそれだけの魅力があると、私も思います。


そして、ここに記された数学者だけでなく、著者の気合いも感じました。
ポアンカレ予想とそれに関わる人々の素晴らしさを伝えたいという強い気持ちがなければ、こういう形にまとめることは出来なかったはず。
さらに著者の春日さんは数学畑の人ではないようなので、その苦労ははかりしれません。


私もゲーム業界を目指し始めた頃からいままで、数学をテーマにしたゲームを作りたいと思い続けてます。
それも、よくある謎解きとかそういうのじゃなくて、フェルマーの最終定理を話の中心とした整数論ゲーデル不完全性定理を中心とした集合論、それらにまつわる数学者のエピソードを絡めたような作品です。


まっとうに考えれば、売れそうもないのですが……どうしても創ってみたいんです。エンターテイメント商品として通用するものを。(絶対面白いですって!w)
まだ糸口すらつかめてませんが、これは何年かけても実現したいです。
「一番怖いのは他の誰かが実現してしまうこと」という意味では、数学の難問に挑む気持ちと似ているのかもしれませんw