「暗号解読 上巻」

暗号解読(上) (新潮文庫)

暗号解読(上) (新潮文庫)

新潮文庫フェルマーの最終定理」の著者の作品。
暗号に焦点を当てた、ドキュメンタリーのようなものです。
この著者は要約の仕方と見せ方がホントうまいですね〜。
物語的な部分と、暗号の解説的な部分のバランスがちょうどいいです。
フェルマーの時は(数学の本はよく読むので)事前知識がかなりあったため、その読みやすさの恩恵を受けた感じはしなかったんですけど、こっちは事前知識がほぼゼロなので非常にありがたかったり〜。


上巻はスコットランド女王メアリーの話を絡めての単純な置換式の暗号、ヴィジュネル暗号、第一次・第二次世界大戦前後のエニグマ機、そのあたりのお話でした。
唯一「エニグマ機」の名前を知ってたくらいで、他はほぼ初めて知りましたよー。
なんというか……ホント暗号って面白いです!
読み進めてくのが楽しみで楽しみで。
この本読むと、暗号が時代時代でどんなに大きな影響を及ぼしてきたか、解ります。


あと、ラストの方に現代計算機の父チューリングが出てきたのですが、チューリングがそもそもそういう機械を作ろうとしたきっかけがゲーデル不完全性定理だった、というあたりも個人的には面白いエピソードでした。(本書的にはすごい横道のエピソードだけど)


下巻はおそらくコンピューター登場あたりでしょうね〜
ラストは量子コンピューターでしょうか?
正直量子コンピューターってよく理解できてないので、そこらの解説を期待しておきますw
まだ下巻を残してますが、この本は間違いなくオススメです。数学好きだけじゃなくて、万人に。