「ジェネラル・ルージュの凱旋」

ジェネラル・ルージュの凱旋

ジェネラル・ルージュの凱旋

チーム・バチスタの栄光」の流れを組む3巻目。
調べてみたらやっぱりなことに、作者で医師の海堂氏は作中で頻繁に登場する「オートプシー・イメージング」(死後の死因解明のためのCTスキャンのようなもの?)の必要性を現実世界でも常々訴えている方だったんですね。
ちょっとメッセージ性が強めに打ち出されてますが、そういう信念があるのなら納得ですし、この程度なら大いにアリかと。
通常メッセージ性が強すぎると見てる方はうざったかったりするもんですが、「戦争はいけない」とかでなく具体的なメッセージであれば、多少押しつけがましくてもそこまで気にならないものなのかもしれません。なるほど、勉強になります。


珍しく今回は具体的な患者は登場せず、上層部でのごたごたを描いた物になってます。
救命救急センターが舞台となっているのですが、なんというか……医療現場の経済的な意味での悲惨さがぎっしりと詰め込まれてました。
「オートプシー・イメージング」の件と合わせて、これだけメッセージ性を強く押し出しておきながらも、物語としては非常に面白いのがこの作品の凄いところですよね。
今回は特に、悪役のムカツキ度合いが強かったのももおもしろさを引き出してたんではないでしょうかw
このシリーズはとりあえずここまでしかまだ出てないようなので、続きが出るのを楽しみに待ってます。