「ゲーム産業における新卒開発者人材育成事業報告書」

CESA(ゲーム業界の団体)の発行している「ゲーム産業における新卒開発者人材育成事業報告書」というのを読んでみました。
具体的には、「新卒開発者人材事業報告書」と「ゲーム産業における新卒開発者向けスキル並び人材育成状況に関する総合調査」です。
こっそり公開されていたので知ってる方は少ないと思います。私も専門学校時代の恩師がこれの制作に関わっており、その流れで知ったくらいなので〜。
↓どなたでもこちらからDLできます。現状はWEBでの無料DLのみで、書籍にはなってません。
http://www.cesa.or.jp/per/report.html


内容はタイトルの通り、新卒の採用の実態や採用基準、また学校(高校・大学・専門学校等)での教育についての調査報告です。
調査対象が23社(パブリッシャーが約50%)ということから「この調査報告=ゲーム業界の実態」とは考えられなそうですが、今までこういう調査は見たことがなかったので興味深かったです。(小規模〜中規模のデベロッパーはほとんど入っていないはず)


内容や感想を書き出すと……

  • 人材不足の度合いは、企画業>プログラマー>グラフィックデザイナー
  • 大卒・専門卒の割合は会社の寄ってまちまち。傾向としてはパブリッシャーが大卒寄りで、デベロッパーが専門卒寄り。(パブリッシャーとデベロッパーというくくりでなく、単に会社規模によるという可能性も)
  • 全体的に資格は重視していないし、今後も資格で計るのは難しそう。(ただ、現状よりはもう少し重視するのもアリかも?)
  • 即戦力が叫ばれるゲーム業界だが、新卒は即戦力より基礎力な印象。(今回の調査対象外の多くのデベロッパーは違うかもしれないけど)
  • どの職種も、「コミュニケーション能力」は一番重要な素養の一つ。あとは「情熱」とか「前向きな性格」、「論理的思考」なども上位に食い込んでる。(これらは「アイディア」より重要と考えられている)
  • 現状、英語力はあまり重要ととらえられていない。(確かに一部を除いてほとんど必要ないかも)
  • 業界に入ってからも日常的に学んで行くことが重要。

以下、かなり個人的な感想。

  • 企業の専門学校に対する期待が大きすぎる気がした。
  • OJTって聞こえは良いけど……(ぁ  しかし、ただ現場に放り投げるだけでなく、ちゃんとサポート体制付きのOJTだったら、それは正しいと思う。
  • 新人教育の項目でペアプログラミングという回答があって少しびっくり&嬉しい。教育目的のみだとしても、良い傾向だと思う。


こんな感じです。
ゲーム業界の場合、ケースバイケースがほとんどなので一概には言えませんが、かなりしっかりとした内容なので、特に教育機関の方や業界志望者は目を通しておくと良いかもしれません。