「ベースラインで成功する プロジェクトマネジメント」

ベースラインで成功する プロジェクトマネジメント

ベースラインで成功する プロジェクトマネジメント

帯に書いてある「トラブルゼロ・バグゼロ・仕様変更ゼロを実現する計画法」という言葉を見たときは自分には合わなそうかなと思いましたが、著者の名前に見覚えがあったので手に取ってみることに。
なるほど、「SEの教科書」や「いちばんやさしいPMBOKの本」の方だったのですね。
中を見てみると、めずらしくネットワーク図にフォーカスした本だったので買ってみました。


内容はやはり、ネットワーク図(PERT図とか)を中心にPMBOKベースでまとめてみたようなものでした。
著者独自(なのかな?)の有効なネットワーク図の書き方が紹介されており、読み終わったときに「自分も試してみたい」と思える本です。



簡単に説明すると、WBSのワークパッケージごとでなく、ワークパッケージをさらに分解したアクティビティを基準にネットワーク図を書くと、いろいろと短縮できるところが見つかる。というもの。
それは、ワークパッケージが成果物ベースの分け方で、アクティビティが作業ベースの分け方のためということでした。


つまりは、ワークパッケージAに属するアクティビティ1と、ワークパッケージBに属するアクティビティ1が実は同じであることが発見でき、効率化に結びつくというわけです。
その他、ネットワーク図をチームメンバーで作っていくと、そこに良質のコミュニケーションが生まれるというのも大きく取り上げられていました。


ひとまずネットワーク図が書けるソフトを探そうとググったら、サーバーとかの接続に関するネットワーク図ばかり出てきて困りましたw
確かに、ネットワーク図といったらあっちの方が実際に書かれることが多いかもしれませんね……。
もしもネットワーク図を書くのに良いソフトがあったら、教えて下さい!



この本に少し不満があるとすれば、内容が冗長だということ。
プロジェクト全般に対して、細かく実際の事例やらを交えて検証されているのですが、内容の重複が多くてちょっと途中飽きてきました。
書かれていることは確かに重要なことばかりなんですが、この内容だったらもっとネットワーク図に特化しても良かったのではないかなあと思います。
それと、帯にある「PMBOKのやさしい読み解き方と現場への活用ノウハウ」というのは内容と違った気がします。


とはいえ、本全体としてみたときは(少し偏ってますが)良い本でした。
冗長な部分も読み物として読むと面白い内容ばかりでしたし……。
ということで、すこしページ数は多いですが、こっち系の本をよく読む人にはオススメできる一冊です。