「ピープルウエア 第2版 ヤル気こそプロジェクト成功の鍵」

ピープルウエア 第2版 ? ヤル気こそプロジェクト成功の鍵

ピープルウエア 第2版 ? ヤル気こそプロジェクト成功の鍵

社会に出て日が浅い頃の私は、「プロジェクトの始めに完璧な仕様書を書くべきだ!」という考えの持ち主でした。
そんな時に、“人”というプロジェクトの基本となる要素に目を向けさせてくれたのがこの本です。
アジャイルという言葉すら知らなかった当時、「こんな視点があったのか!」と衝撃を受けたのを憶えています。(今でもトム・デマルコは大好き)


影響を受けた一冊としてよく他人に紹介するのですが、もうかなり内容を忘れていたので、読み返してみました。
この本の内容を一言で語ることは出来ませんが、要はタイトル通り、プロセスや見た目の効率だけに惑わされずに、“人”に注目しよう、という内容です。
特に、オフィス環境の改善と離職による損失は大きく取り上げてあります。あと、後半ではチームビルディングに関しても。


ひと通り読み終わったのですが、やっぱり記憶にあった印象とはかなり違う印象を受けました。
まず、元々1980年代に書かれた本(「人月の神話」と並ぶ古典なのかな?)なので、時代を感じました。
いまでこそモチベーションをマネジメントするという概念が浸透していますが、当時はもっとガチガチだったんだろうなぁと。
そう考えると、ピープルウェアの思想が反映されたってことかもしれないですね。


いくつか極端だと感じる部分もありますが、「プロセスやツールよりも個人との対話を重視する」というアジャイルの原点がここにあるような気がします。
というより、アジャイルという言葉を使わなくても、ここに書いてあることはひとつの視点としては必ず持っていなくてはならないことなので、いま読み返してもいろんな人に読んで欲しい一冊です。
古典という割には読みにくさは感じないので、未読の方はぜひぜひ手に取ってみてください!