「わかったつもり 読解力がつかない本当の原因」
- 作者: 西林克彦
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2005/09/20
- メディア: 新書
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我々が毎日触れている文章ですが、文章の内容について正しく理解出来ていない時の多くは、
「文章が難解で(もしくは拙くて)わからない」のではなく、「わかったつもりになっている」というのが本書のキモになるところです。
これはなるほどと思いました。
確かに“わかっていない”のが分かっていたら、もっと詳しく読もうと思いますが、
“ああ、なるほどね、そういうことか”と分かったつもりになっていると、そこから先へは思考が進みません。
この“わかったつもり”状態というのは、一種の安定状態であり、読みが浅いままで疑問も生まれない、ということのようです。
本書で、文章の細部から文章外のことも読み解くことが重要だ、みたいな書かれ方がされていますが、
この部分についてはあまり同意できません。
まあ、詩を読み解く時などには必要なことかもしれませんが、その他ではそもそもあまり必要だとは思わないし、
そこまで読み取って欲しい文章というのは書く側に問題があるのかなと。ビジネス用途においては特に。
ただ、「既存のスキームに合わせて意味を解釈しちゃうことがある」という点については納得です。
断片だけ見て、「ああ、あの話か」と勝手に決めつけちゃったという経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。(これもビジネスにおいては書く側に問題がある気がするけど)
そもそも私は飛ばし読み派なので、この本の主張とは逆に要点のみを如何に効率よく読み解くかを意識しているわけですが、
こういう現象が起きているんだなと意識はしておきたいと思います。
それにしても、会社を経営してたりコンサルタントだったりの方が書くビジネス書と、
どこかの教授の方が書くビジネス書では、特徴がハッキリと分かれますねw