『西川善司の3Dゲームファンのための「2007年の3Dゲームグラフィックス」講座 私が2007年に愛したシェーダーグラフィックスたち』

http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20071227/3d.htm
毎回、最新ゲームを題材に3Dグラフィック技術を検証する講座です。
ある程度前提知識がないと辛いですが、企画職でもこれくらいは抑えておくといいかもしれません。
(デザイナー職も知識としては欲しいところだけど、この講座はプログラマ向けなので多分辛いと思います)
とはいえ、正直自分も全部は理解できてませんw
だからこれより下は間違ってるかも。間違ってたらゴメンナサイ。


今回は2007年の総集編。
2007年のトレンドはこの講座によると、

  • 影の表現
  • HDR(ハイダイナミックレンジ)レンダリング
  • 法線マップと微細凹凸表現
  • 人間キャラクタの顔面表現
  • 水面表現
  • 特殊効果(パーティクルやモーションブラーなど、ソフトごとに工夫されている点)

あたりらしいです。
特に上の3つが大きい点ではないかと。

HDRレンダリング

上の3つのうち「影の表現」はなんとなく名称から判ると思いますが、
あとの2つは知らない人には聞きなれないかもしれません。
「HDRレンダリング」は、主に光の表現に関する技術。(だと思う……w)
ひと言で言うと「そのまんま光を表現するより、人間の感覚に合わせて画面に出そう」というものです。
たとえば、暗闇の中でケータイ電話の画面を見るのと、太陽の下で見るのでは、全然違って感じますよね。でも、人間の感覚を抜きで処理すると、“正しいけどリアルじゃない”画面が生まれます。だから、人間の感覚も加味して“正しくないけどリアル”なレンダリングをしよう、ということです。(多分)
もっと判りやすく言うと、最近のゲームの太陽とかがキラキラしてるところはこれですw
PS3やX360では既に標準になってますねー。
PS2でも、ヴァルキリープロファイル2がすごく綺麗に使っていたのが、個人的には印象に残ってます。

法線マップと微細凹凸表現

3番目の「法線マップと微細凹凸表現」は、ポリゴンだけでは補えない部分に凹凸を追加して、リアルさを増す技術です。最近妙にモデルがリアルなゲームが増えてると思いますが、ほとんどこれのお陰かと。
詳細は省きますが(というか説明できませんがw)、法線マップ(別名バンプマップ)という凸凹を表現したテクスチャのようなものを、各テクスチャごとにつくります。そしてレンダリング時にその法線マップを利用して擬似的に凸凹を表現する技術です。
すごい効果を発揮しますが、あくまで擬似的に表現するだけなので、そのままやったのでは多少不都合があります。
2007年は、その不都合をどうやって隠すかを模索していた年だった。とこの講座では述べて(るのだと思い)ます。

すごかったゲーム

日本のゲームで技術的にすごかったのは、カプコンの「ロスト・プラネット」ですね。これは上の技術が全部入りで、さらにプラスアルファが付いてます。海外でも評価高いらしいです。
あと、この作品と平行で創られていった「MTフレームワーク」というのがなんかすごいらしいですよ。日本の大作3Dゲームは、最近ではかなり海外のフレームワーク(UnrealEngineとか)に頼ってたので、ここまでのレベルのものを日本で創ったというのは、嬉しい話です。さすが技術のカプコン
また、「MTフレームワーク」は、PS3、X360、PCの3つのプラットフォームを想定してつくられているらしいので、おそらくこれから先のカプコンの3D作品はこの3つのプラットフォームでリリースされると思います。(総宣言してたのをどこかで聴いた憶えもあるし……) うわー、ホントにマルチプラットフォームな時代だー。

2008年は?

この講座では、物理演算がトレンドだと言ってますね〜。
物理演算は、確かに今年来そう。
個人的には、今年中に来るかわかりませんが(さらに3Dとは違うかもだけど)、AIが来るんじゃないかなぁと。AIはいろいろと応用範囲が効きそうで、ちょっと期待してます。たとえば、敵の思考としてのAIだけでなく、たとえばステージを自動生成するのとかにも使えますよね。(劣化プランナーって感じかな?)うーん、楽しみ。


その他は、ぜひ上のURLからジャンプして、自分の目で見てくださいw
……長いし慣れないと難しいけど。