「リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間」──アジャイルマインドが詰まった一冊

リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間

この本は買う前から良書だということが判っていました。
理由は、「リッツ・カールトンだから」です。
「ああ、この安心感こそブランドなんだ」って、買うときに思いました。
超一流ホテル、リッツ・カールトン。泊まったことはありませんが、いつか一度は泊まってみたいです。

何度聞いても素晴らしいシステムとエピソードの数々

この本は、リッツ・カールトンがどれだけすごいサービスを提供しているかを語っているのではなく、どうやって運営しているかというのが主になっています。
いろいろな素晴らしい思想やシステムが紹介されていますが、その中でも私が一番いいなと思ったのは「エンパワーメント」という個人個人に裁量を与えるシステムです。エンパワーメントの内のひとつにお客様のためなら１人１日２千ドル（約２０万円）を自由に使ってもいいというものがあるのですが、これは何度読んでも感動します。
結婚記念日にサプライズでシャンパンを用意したり、大事な忘れ物を直接届けたり、前回来たときに好きだと言っていた花を生けたり……読んでて涙が出そうになりました！

その他、「クレド」については「おもてなし力」オススメの時に書いたので、こちらをどうぞー。

アジャイル開発との共通点

読んでいて思ったのが、かなりの部分がアジャイル開発と同じ思想だったり、似たようなプラクティスだったりするということです。
例えば、こんな感じです。

【リッツ・カールトン】「レッツ・ハブ・ファン」（自分たちも楽しもう）や「パッション」（情熱）を重視。相手を尊重する。
【アジャイル】人を重視。相手を尊重する。

【リッツ・カールトン】エンパワーメント。リッツ・カールトンの理念に沿っていれば、許可を取らずとも即行動にうつすことができる。
【アジャイル】フットワークの軽い、俊敏な開発。

【リッツ・カールトン】毎日のディスカッション形式の朝礼
【アジャイル】スタンドアップミーティング

【リッツ・カールトン】スタッフの誕生日や入社記念日にランチパーティー
【アジャイル】各イテレーション終了時のミニ打ち上げ

などなど。
他にも、アジャイル開発は「リッツ・カールトン流開発」と言ってもいいんじゃないかと思うほど似てるところがありました。
なるほど、ビジネスにおいて人を重視で進めると、同じところに行き着くのかもしれません。

ということで、普通に誰にでも読んで欲しい本ではありますが、アジャイラーに一押しな一冊です。
アジャイラーの皆さん、ぜひぜひ読んでみてください！