「謎を解く人びと - 数学への旅」

謎を解く人びと - 数学への旅

謎を解く人びと - 数学への旅

今月ラストは数学の本です。


内容は、フランスの「IHES」という研究所の人びとを、文章と写真で綴ったものとなってます。
イメージとしては、数学やビジネス書よりも、芸能人の文章+写真の本を思い浮かべてもらえると近いかと思います。


他の本だったら投げたくなるような文章の取っつきづらさなのですが、文章の短さと数学が醸し出す“雰囲気”にマッチしてか、普通に最後まで読めました。(しかし、決してオススメは出来ないレベル)

初期のIHESは2つの理念が一貫していて見事だった.
1つは「小さく生んで大きく育てる」2つ目は「組織ありきではなく,人ありき」の原則だった.

序文の1節ですが、それってまさにアジャイル

人は学ぶのではなく,ずっと長いこと知っていたことを改めて確信するに過ぎない.

この文には響くものがありました。
簡潔だけど真理を表した言葉。
まさに数学者らしい文です。


元々これで何かを学ぶという本ではなく、雰囲気を楽しむ本なので、そういう意味では充分に堪能できました。
数学の厳格さや数学の世界に身を置く人びとの空気に触れられて、満足です。
6000円はちょっとお財布には痛かったですが、後悔せずに済みました。