CEDEC2010:2日目イベントレポ〜

今日もいきいきと参加させていただきました!
以下、取ったセッションとひと言メモ。

基調講演「ゲームの知能と小説の感覚 ヒトの宇宙の究極(?)問題を考える」

パラサイト・イヴで知られる小説家の瀬名秀明さんの講演。
「重力」というキーワードでゲームを考えてみる、という趣向でした。


↓詳しくはこちら
http://gamez.itmedia.co.jp/games/articles/1009/01/news082.html


人は物理的にだけでなく、精神的にも「重力」に縛られているそうです。
講演を受けるまでは何の話かまったく解りませんでしたが、かなり面白いセッションでした。
ちゃんと起きてよかったw


あと、懺悔。
「瀬名 秀明」と聞いて、ロングバケーションしか浮かばなくてスミマセンでした;;
大丈夫、もう間違えない。「デカルトの密室」買うので許してください。

アジャイル開発手法スクラムの基礎とゲーム開発導入事例」

GamePM勉強会でも発表いただいたことのある、ゲームリパブリックの田中さんの講演。
タイトル通り前半をスクラムの基本的な説明(時間の都合で触りだけ)、後半が開発事例の紹介という構成でした。


全体的に「アジャイル最高!」ではなくて、ちゃんと現場に落とし込んだ話だったので、ニーズに合った良いセッションだった気がします。
私も再勉強させていただきました!


スクラム紹介の説でKPTの紹介があったのに感動しました。
KPTは日本で特に人気らしいのですが、私も一番のオススメ手法です。


あと、スクラムを導入した結果、
・自然と、他のチームも朝にスタンドアップミーティングをするようになった
・チーム外の人から、「あのチーム最近いきいきしてるよね」と言われるようになった
という部分には、感動すら憶えました。


結局どんな手法も、自社の風習やプロジェクトメンバーによって「テーラリング(仕立て直し・アレンジ)」をする必要があります。
アジャイル系をゲームに適用した事例が国内ではまだ少ないので、テーラリングのサンプルとしても貴重なセッションだったのではないでしょうか。

「Havokテクノロジー: 現在の技術と将来の方向性 2010」

HavokのPRセッションです。
受けてみて「スミマセン、Havokなめてました」となりました。


Havokといったら物理エンジンでしょ?くらいの認識で行ったら驚きました。
最近はどんどん拡張が行われているようで、主に次の4つからなるそうです。


・「HavokBehavior」キャラクターの振る舞いを管理。アニメーションのステートマシンやIK等、高度なインターフェイスでアニメーションに関するものを管理できる。
・「HavokCloth」服やソフトボディ等、頂点シミュレーションに関するソリューション。
・「HavokDestruction」破壊シミュレーション。ただのメッシュを破壊可能オブジェクトに自動で変換。
・「HavokAI」ノードの設定やパス検索を自動で行う。なんかいろいろ高度な機能が付いてるらしい。現在急成長中。


簡単にメモった程度なので、間違ってたらスミマセン。
ここまでいろいろ網羅してるソフトだとは思わなかったので、驚きました。
あと、パッと見た感じ、処理コストや見た目のクオリティもなかなか。
今度ちゃんと調べなきゃ。

西川善司の「CEDEC 2010」ゲーム開発マニアックス(グラフィックス編)」

毎年お馴染み、最新のグラフィック事情をパネルディスカッションという名のスクール形式で進行するセッションです。
今年も内容濃かった〜。


キーワードやメモ
・物理ベースレンダリングの時代が近い?
・RGBではそろそろ限界?
・DeferredShadingとDeferredLighting。ライトがいっぱい配置できるようになる。ただし半透明との相性は悪い。
・リアルタイムグローバルイルミネーションが欲しくなってきた。
レンダリング(ライティング)はどんどん動的になるのに、ジオメトリは静的なままでいいの?
・各種シミュレーションや切断とかに備えて、ハードウェアレベルで三角ポリゴンじゃなくて四面体ポリゴンとかの対応が必要になってくる?
・アニメーションは物理演算を上手く使うとよい? 足が滑らないとか。サンプル、ちょっと感動した。


結局は「作品にあった手法を」なんですけど、今回は「作品にあった物理系のアプローチを」という感じがしました。

CEDEC AWARDS」

初めて出ました。
ラブプラスアルトネリコのPVが流れて、「ああ、日本だ。なんか安心する」と実感w
デモンズソウル、おめでとうございます!

「Developers Night」

お話しさせていただいた方々、ありがとうございます!
今年はAgile系のセッションが3つもあるので、Agileについてたくさん語れましたw
一度話してみたかった方にも思いがけない形で出会うことができ、ホント参加してよかったです。

その他感想

明日は本編は参加せず、AfterCEDECのみの参加予定です。
ホントは本編に行きたいセッションいっぱいあるのだけど……;;


あと、上にも書いたように今年はAgile系が豊富です。
しかし、主に「手法」にフォーカスしていて、Agileで一番重要な「マインド」については各セッションあまり時間が取れていないように思うので、Agileに興味を持ってくれた方はそのあたりをどこかで補足しておいていただけたらなあと思います。
「手法」だけにフォーカスして進めると、おそらく上手くいきません。
(「今回のセッションでそのあたりが語られてたらよかったな」ということではありません。まず興味を持っていただくには、事例が必要だと思うので)


ということで、ぜひともGamePMに来て下さいw