GamePM勉強会#6、イベントレポ

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先日10月10日にGamePM勉強会の第6回をやって参りました!
場所はいつもと同じく東京恵比寿です。
人数は前回と比べて少なかったですが、より濃い内容の会になりました!

発表「今こそスクラムを組む時だ!〜責任と権利を持つチームの振る舞い〜」

今回も最初に発表させて頂きました!
第4回が開発手法全般、第5回がアジャイル系全般と来て、
今回は「スクラム(SCRUM)」というアジャイル系の開発手法のひとつを取り上げました。


今回も資料をUPしたので、よろしければどうぞ〜。
PDF <ダウンロードはこちらから


SlideShare(わりと文字化けてます)


スクラムはゲーム業界で一番使われているアジャイル開発手法で、北米を中心に年々採用事例が増えてます。(統計はないけど増えてるように見える)
IT業界で一番メジャーなのはXPですが、なぜゲーム業界はスクラムかというと、
XPは技術的アプローチが多いのにたいして、スクラムはマネジメントやチームビルディング的なアプローチに重みを置いているからです。
そういうわけで、今回はXPではなくスクラムを紹介させて頂きました。


補足も含めて、ざっとスクラムの3つの特徴を書いておきます。

スプリント(イテレーション

スプリントとは、一定期間(原則30日)で区切った開発期間のことです。
1スプリントごとに今回実装する機能の範囲を定めて、開発チームはその機能を実装することに集中します。


また、イテレーションのはじめにはスプリント計画ミーティングというものがあり、
ここで今の状況や前回のスプリントの結果を受けて、仕様の変更や追加を行うことが出来ます。

各種バックログ

スクラムには「プロダクトバックログ」「リリースバックログ」「スプリントバックログ」と呼ばれる、3種のバックログがあります。
バックログというのは、平たくいえばToDoリストのようなものです。
3つを大雑把に説明すると、次の通りです。


プロダクトバックログ:製品全体の機能リスト
リリースバックログ:次期リリース(α版とか)に含む機能リスト
スプリントバックログ:今回のスプリントのタスクリスト

スクラムチーム

スクラムは「スポーツチームのように強い結束を持ったチームと振る舞い」を目標としています。
そのため、7人〜10人以下でひとつのチームを組みます。


スクラムチームは、「イテレーション中の目標を達成すること」の責任を負う代わりに、
「目標達成のための手段や進め方を自分たちで決める」という権利を得ます。
各チームに居るスクラムマスターは、この構造を実現するために役割が決められています。



ホント大雑把にはこんな感じでしょうか。(これじゃ大雑把すぎて伝わらないかも……)
スクラムについては、開発事例的な感じでまたいつかやってみたいっす。

発表「やってみよう!バトルデザイン」

発表2つ目は松尾さんによるバトルデザインのお話しでした。


バトルデザインの話もさることながら、「企画職の情報共有と知識の体系化をもっとやっていこうよ!」という熱い想いが込められてました。
これはグッとこころに響きました!
企画職の資料や書籍って、ホント少ないんですよね。
開発事例はそこそこあるのですが、体系的に知識をまとめてみた系の本が欲しいっす。(自分でもいつか書いてみたい)


バトルデザインの項目は、主にバトルの計算式のお話。
一番多い基本形は「攻撃力−(防御力÷2)」というものらしく、この「÷2」には深い理由があるのだと分かりました。
まだまだ計算式には深い部分があるようなので、また改めて話を聞いてみたいです。

LT×3

今回LTは3名の方にやって頂きました!


まずは id:niso1985 さんによるタスクのプライオリティ付けの話。
コスト面や作業順の問題で、重要度・緊急度とかから自動的にプライオリティを割り出すのは難しいわけですが、
「ベースラインを作る」という意味では正しい思想だと思います。


そして次はswiftnestさんの発表。
主なWeb系プロジェクト管理ツールの紹介でした。
すごい調査量と資料の質で、5分枠じゃもったいないレベルの内容です!
やっぱりTracRedmine使ってみたいなぁ……。
あと個人的には、スライドに出ないようにLTタイマーを使ってたように見えたのですが、どうやってたのか知りたいですw


最後にyuki_mrさんの発表。
プロジェクト管理に使ってるExcel表を差し支えのない範囲で見せて貰いましたが、なかなか手が込んでるシートでした。
規模や場合によっては、プロジェクト管理ツールよりExcelの方が役立つこともありますよね。


という感じでしたが、思い返してみたら、みなさんマネジメント系の話だったのですねw(LTのテーマは毎回フリー)

ワークショップ「スケジュール制作──あのゲームを作るとしたら?」

SFCスーパーマリオワールドをいまWiiWareで作るとして、どんなスケジュールになるだろうか?
というのを3チームに分かれて作ってみました。


制限は「制作期間10ヶ月」と、「60人月分の予算」。
そのまんま作るのではなく、仕様のスコープも制限に収まるように変更可能でした。


最近は3Dが多いので、みんな2Dの見積もりに苦労してましたw
結果、各チーム似た形になってましたが、微妙に違ったところに各々の思惑が見えて面白かったです。

そんな感じの会でした

第6回はこのような感じの会になりました〜。
今回は(も?)ホント参加者の皆さんに助けられました!
いつもつたない進行で申し訳ない!


解散後に行ったスタッフミーティングでも出ましたが、次回の課題は「宣伝方法と集客」に尽きます。
発表して頂ける方が段々増えてきて、内容はいい流れが作れてきているので、次回はそこをクリアできたらなぁと。


あと、今まで「マネジメント系中心」でやってたのを、
今後は「ゲーム系の知識全般(マネジメント寄り)」くらいの配分にしていこうかと思っております。


「勉強会を立ち上げるぞ」といって動き出してから、そろそろちょうど1年。
次回は1月末〜2月(多分2月)を予定してますが、来年は安定感を出せるようにしていきたいです。
あ、その前に年内に忘年会やると思うので、よろしくでーす。


そんな感じで、今回もありがとうございました!!

おまけ:参考書籍

今回の発表において、参考にさせて頂いた書籍です。

アジャイルソフトウェア開発スクラム (アジャイルソフトウェア開発シリーズ)

アジャイルソフトウェア開発スクラム (アジャイルソフトウェア開発シリーズ)

初めてのアジャイル開発 ?スクラム、XP、UP、Evoで学ぶ反復型開発の進め方?

初めてのアジャイル開発 ?スクラム、XP、UP、Evoで学ぶ反復型開発の進め方?

上は少し読みづらいけど、スクラム中心の本。
下はアジャイル系全般の本ですが、要点をつかむにはこっちの方が向いています。
スクラムは書籍が少なくて泣ける;;