「ゲーム制作者になるための3Dグラフィックス技術」──概要をつかむには最適の一冊

ゲーム制作者になるための3Dグラフィックス技術

ゲーム制作者になるための3Dグラフィックス技術

PS2初期から昨今まで、コンシューマゲームの技術的進化はグラフィック技術の進化と言っても過言ではないのかもしれません。
そんなグラフィック技術の進化をひと通り紹介し、さらには主立った技法の概要を記してあるのが、この本です。


著者の西川さんは、GameWatchの「3Dゲームファンのためのグラフィックス講座」という連載で名前を知っていて、
先日のCEDECの講演も聴かせて頂きました。
この本もWebの連載と同じく、非常に分かりやすくまとめてあります。
(GameWatchの連載→http://game.watch.impress.co.jp/docs/series/3dcg/


歴史的解説の他にカバーしている内容は、主に次のあたりです。


ちなみに、タイトルに「ゲーム制作者になるための」とありますが、
"素人向け"というほど優しい内容ではないので注意ですw
ただそのおかげで、プログラマーには基本技術全体を俯瞰できる内容であり、
他職種には「なるほど、こう言う理屈でこうなっていたのか」と納得できる内容になっています。


企画職の人はこのあたりをプログラマーに丸投げしがちです。
しかし、その道の"プロ"ならば、少なくとも「法線マップ・デプスシャドウ・HDRレンダリング」あたりは、
せめて概要だけでも押さえておきたいところではないでしょうか。
(といいつつ、私も3Dに関しては弱いのですが……w)


これを読んで興味深かったのは、テッセレーションの項目です。
ちょっと前からこの技術は知ってましたが、思ってた以上に応用のしがいのある技術のようです。
あと、DirectX11時代は複雑になりすぎて、なんか大変ってことくらいでしょうかw


そんな感じで、分からないところは読み飛ばして概要をかっさらうくらいでかまわないので、
ぜひぜひ同職の方々には手にとって頂きたい良書でした。