GamePM勉強会#8、イベントレポ

半年ぶりのGamePMを開催して参りました!
前回の#7はスタッフ間ではいままで一番のクオリティで、
「ヤバイ、これは#8はきついなー」と思っていたのですが、
お陰さまで今回も素晴らしい会に出来ました!

発表「人に伝える、教える、考えさせる?」

まずは並木さんによる発表です。
「リーダー」「先生」「メンター」という3つの視点で、どう振る舞ったらいいか、どう接したらいいかということについてまとめてありました。


公開用に発表資料を頂いたので、あとでGamePMのHPにUPします。
詳細はそちらをご覧下さい。


以下、私の取ったメモからの抜粋です。
・[リーダー] リーダーはとにかく早いフィードバックを行うこと
・[先生] 反応は最初からあきらめる。理解度が低い状態では、質問もあまり出てこない
・[先生] 手を動かす系のことをやると、質問が出てくる
・[メンター] 大目標を本人に決めさせて、タスクレベルにブレークダウンする作業を手伝う
・[メンター] ストレス耐性を付ければ、大抵のことをこなせるようになる


先生というのはまだやったことがないので、いつか一度はやってみたいかも。

発表「Agile Game Development with Scrum 紹介(仮)」

次に、#7でも発表いただいた田中さんのAgile関連の発表。
今回も「新しい視点に気付かせてもらえる+面白い」という安定した流石の内容でした。


Agile Game Development with Scrum」というゲーム開発におけるScrumをテーマにしたドンピシャな本があるそうです。
ただし、残念ながら日本語訳されていない洋書……;;


私ならここで諦めているところですが、田中さんはスキャン→文字解析→自動翻訳という力業によって、見事に読破されたとのこと!
これはすごい!w


この中から私がいい気づきを与えてもらった事柄をいくつか並べてみます。
・大抵のゲームは「面白さの検証」フェイズ(プリプロとか)から、「量産」フェイズに入るのが早すぎる
・量産フェイズに入ったら"カンバン"を使うとよい?
・タスクのステータス(「進行中」とか)には「承認待ち」というステータスがあると便利
・チーム分けを考える際には、出来るだけチーム感の依存度を下げる

ライトニングトークス(4名)

今回は初めて4枠埋まりました!
4つあると雑多な感じが出て、いままでよりずっといい感じでした。

LT「進行管理に便利なエクセルアドインのご紹介」

まずは森田さん(@yuki_mr)によるスケジュール管理用のExcelアドインの紹介。
これが非常に好評で、TwitterでRTされまくりです。
最初にレイアウトがポンと出た時は、会場に「おお〜」の声がw

「マネージャーのためのアイディア整理方法〜マインドマップであなたの思考を10倍加速させる〜」

次に三宅さんによるマインドマップのお話。
マインドマップ自体はわりと知られていますが、今回はその中でもテーマを絞ったお話でした。


質問タイムにオススメのマインドマップ本が紹介されていました。リンク張っておきます。(Twitterでも少し話題になってましたね)
http://www.amazon.co.jp/dp/4478761051

「ゲームデザイナーは誰の為にゲームを考える?」

dugさんによる『「ヒットする」のゲームデザイン』を元にしたゲームデザインのお話です。
いままでゲームデザイナーは「ユーザーの代表」という立場でゲームの設計を行ってきましたが、本当にそれでいいのか?
それ以外の方法だと、どんな視点がある?
といった内容でした。


私もいまはプログラマーをやってますが、元々企画の人間なので非常に興味がありました。
本の内容紹介+dugさんの意見や経験を踏まえてのお話でしたが、これはぜひぜひもっとじっくりと聞きたい内容です!

「作り方にも改善を 〜書籍 Game Engine Architecture 紹介〜」

湊さんによる「Game Engine Architecture」という本の紹介です。
日本語版が年末に発売を予定しているみたいで、湊さんたちによって絶賛作成中とのこと。
今回は翻訳・監修の苦労を味わってもらおうと、英語パワポによるLTでしたw


基本的にはプログラマー向けですが、企画職等も各章の前半を読んでおくと、教養として知識が広がるとのことでした。
発売が楽しみ〜。

ワークショップ「スキルセグメンテーション」

今回のワークショップでは、いまいちどゲーム制作における役職とスキルを考えてみようということで、次のことをやりました。

1.ゲーム制作に関わる役職を書き出す
2.各役職に必要なスキルを書き出す
3.現在自分が持っているスキルにマークを付ける
4.近い将来(3年後)に到達していたい役職とスキルにマークを付ける


チームに分かれたので他のチームの詳細は分かりませんが、思ってた以上に多様な役職が出ました。
書き出してみると「こんなに役職があるのか〜」と。こりゃ、開発にたくさんお金がかかるわけですね。


この時出たのをデータでまとめてみたら面白そうだなーと思いつつ、大変そうなのでやってませんw
気が向いたらやってみます。

Twitterが!

田中さんがまとめてくださったTogetter: http://togetter.com/li/62467

前回から(だっけ?)「#GamePM」ハッシュタグを使い始めたのですが、今回はTwitter上での参加者同士のやりとりも活発でした。
今までにない現象だったので、これもひとつの前進なのかなと感じております。
反応が沢山訊けるのは素直に嬉しいです!

次回GamePM#9は?

今回も参加頂いた方々、そしてスタッフ+お手伝い頂いたお二人、ありがとうございました!!
楽しかったです!


去年は忘年会をやりましたが、今年はちょっと出来なさそうです。スミマセン。
代わりにGamePM#9の発表者が早くも決まりつつあるので、年明けの早い段階で#9を予定しております。


そうそう、次回は少し会場を広くしてみる予定です。
今回かなり早い段階で定員が集まったので、ちょっと調子に乗ってみますw


では、#9の詳細が決まりましたら告知を出しますので、その際はよろしくお願いします!

「バクマン。 10」

バクマン。 10 (ジャンプコミックス)

バクマン。 10 (ジャンプコミックス)

アツい展開に興奮しながら読みました!
この作品は読む度に初心を思い出させてくれます。


これを見ていると、「デスノート」も「バクマン。」の中に出てくる1作品なんじゃないかと思えてきましたw


ゲーム開発ではチームプレイが基本なので、こういう風にはいかないですが、
バクマン。」くらいのテンションで毎日ものづくりに励みたいです。

CEDEC2010:2日目イベントレポ〜

今日もいきいきと参加させていただきました!
以下、取ったセッションとひと言メモ。

基調講演「ゲームの知能と小説の感覚 ヒトの宇宙の究極(?)問題を考える」

パラサイト・イヴで知られる小説家の瀬名秀明さんの講演。
「重力」というキーワードでゲームを考えてみる、という趣向でした。


↓詳しくはこちら
http://gamez.itmedia.co.jp/games/articles/1009/01/news082.html


人は物理的にだけでなく、精神的にも「重力」に縛られているそうです。
講演を受けるまでは何の話かまったく解りませんでしたが、かなり面白いセッションでした。
ちゃんと起きてよかったw


あと、懺悔。
「瀬名 秀明」と聞いて、ロングバケーションしか浮かばなくてスミマセンでした;;
大丈夫、もう間違えない。「デカルトの密室」買うので許してください。

アジャイル開発手法スクラムの基礎とゲーム開発導入事例」

GamePM勉強会でも発表いただいたことのある、ゲームリパブリックの田中さんの講演。
タイトル通り前半をスクラムの基本的な説明(時間の都合で触りだけ)、後半が開発事例の紹介という構成でした。


全体的に「アジャイル最高!」ではなくて、ちゃんと現場に落とし込んだ話だったので、ニーズに合った良いセッションだった気がします。
私も再勉強させていただきました!


スクラム紹介の説でKPTの紹介があったのに感動しました。
KPTは日本で特に人気らしいのですが、私も一番のオススメ手法です。


あと、スクラムを導入した結果、
・自然と、他のチームも朝にスタンドアップミーティングをするようになった
・チーム外の人から、「あのチーム最近いきいきしてるよね」と言われるようになった
という部分には、感動すら憶えました。


結局どんな手法も、自社の風習やプロジェクトメンバーによって「テーラリング(仕立て直し・アレンジ)」をする必要があります。
アジャイル系をゲームに適用した事例が国内ではまだ少ないので、テーラリングのサンプルとしても貴重なセッションだったのではないでしょうか。

「Havokテクノロジー: 現在の技術と将来の方向性 2010」

HavokのPRセッションです。
受けてみて「スミマセン、Havokなめてました」となりました。


Havokといったら物理エンジンでしょ?くらいの認識で行ったら驚きました。
最近はどんどん拡張が行われているようで、主に次の4つからなるそうです。


・「HavokBehavior」キャラクターの振る舞いを管理。アニメーションのステートマシンやIK等、高度なインターフェイスでアニメーションに関するものを管理できる。
・「HavokCloth」服やソフトボディ等、頂点シミュレーションに関するソリューション。
・「HavokDestruction」破壊シミュレーション。ただのメッシュを破壊可能オブジェクトに自動で変換。
・「HavokAI」ノードの設定やパス検索を自動で行う。なんかいろいろ高度な機能が付いてるらしい。現在急成長中。


簡単にメモった程度なので、間違ってたらスミマセン。
ここまでいろいろ網羅してるソフトだとは思わなかったので、驚きました。
あと、パッと見た感じ、処理コストや見た目のクオリティもなかなか。
今度ちゃんと調べなきゃ。

西川善司の「CEDEC 2010」ゲーム開発マニアックス(グラフィックス編)」

毎年お馴染み、最新のグラフィック事情をパネルディスカッションという名のスクール形式で進行するセッションです。
今年も内容濃かった〜。


キーワードやメモ
・物理ベースレンダリングの時代が近い?
・RGBではそろそろ限界?
・DeferredShadingとDeferredLighting。ライトがいっぱい配置できるようになる。ただし半透明との相性は悪い。
・リアルタイムグローバルイルミネーションが欲しくなってきた。
レンダリング(ライティング)はどんどん動的になるのに、ジオメトリは静的なままでいいの?
・各種シミュレーションや切断とかに備えて、ハードウェアレベルで三角ポリゴンじゃなくて四面体ポリゴンとかの対応が必要になってくる?
・アニメーションは物理演算を上手く使うとよい? 足が滑らないとか。サンプル、ちょっと感動した。


結局は「作品にあった手法を」なんですけど、今回は「作品にあった物理系のアプローチを」という感じがしました。

CEDEC AWARDS」

初めて出ました。
ラブプラスアルトネリコのPVが流れて、「ああ、日本だ。なんか安心する」と実感w
デモンズソウル、おめでとうございます!

「Developers Night」

お話しさせていただいた方々、ありがとうございます!
今年はAgile系のセッションが3つもあるので、Agileについてたくさん語れましたw
一度話してみたかった方にも思いがけない形で出会うことができ、ホント参加してよかったです。

その他感想

明日は本編は参加せず、AfterCEDECのみの参加予定です。
ホントは本編に行きたいセッションいっぱいあるのだけど……;;


あと、上にも書いたように今年はAgile系が豊富です。
しかし、主に「手法」にフォーカスしていて、Agileで一番重要な「マインド」については各セッションあまり時間が取れていないように思うので、Agileに興味を持ってくれた方はそのあたりをどこかで補足しておいていただけたらなあと思います。
「手法」だけにフォーカスして進めると、おそらく上手くいきません。
(「今回のセッションでそのあたりが語られてたらよかったな」ということではありません。まず興味を持っていただくには、事例が必要だと思うので)


ということで、ぜひともGamePMに来て下さいw

CEDEC2010:1日目〜

http://cedec.cesa.or.jp/2010/

本日ゲーム開発者のカンファレンス、CEDEC2010の1日目に参加してきました!
取ったセッションと簡単な感想を。

基調講演「CEDECとは? −そのもたらす価値の追求−」

CEDECフェローの松原健二さんのキーノート。
CEDEC(開発者コミュニティ)の価値についてのプレゼンテーションでした。
「情報は発する人に集まる」「課題の共有化・課題の顕在化」などなど。


実は私も1件セッション案を応募していたのですが(落ちた;;)、このテーマとほぼ一緒でした。
GamePMを題材にしたものだったので、このキーノートの後では辛かったですねw

「案ずるより産むがやすし!〜XtalとGameMonkeyScriptによるガンシュー開発〜」

スクリプトは実務で関わってる+興味ある分野なので、このセッションを選択しました。
ここ数年流行の、汎用スクリプトの話です。


スクリプトに処理を出す理由には主に、
・企画職が調整しやすいようにするため
・プログラムで実装する部分を楽にコーディング&実行までの時間を減らすため
の2種類があります。


このプロジェクトでは、前者をスクリプターが扱うLuaのような言語の「GameMonkeyScript」、後者をプログラマーが扱うC++ライク(?)言語の「Xtal」で実装したそうです。


いろいろ話が分散していましたが、主題は、
× 企画職にスクリプターが居ないからスクリプトは導入できない
○ スクリプトを導入したら、企画職もスクリプトが打てるようになる
という話だったと思います。


私の意見も大体は同じで、「やってみたら案外できる。できなかったら難しいとこはプログラマーが書けばいい」みたいな感じです。
副作用として、企画でスクリプト打ってた人が気付いたらプログラマーになってるかもしれませんが……(ぁ

「元気な会社の秘密!? 〜トップが語る会社維持と発展について〜」

起業には「若気の至り、重要」らしいですw

「LostPlanet2 DirectX11 Features」

テッセレーションとコンピュートシェーダーのお話。
「私なんかが受講してすみません」という感じで、3〜4割しか解りませんでした;;


テッセレーションは想像していたよりも導入が大変で、素でやるとポリゴンに隙間ができてしまったりするらしい。
そしてそれをなんとか防止するために、いろいろ工夫したらしい。
多分そんなお話。


しかし最後には、「HDゲームはそもそもハイポリゴンなので、テッセレーションを駆使してもあまり変わらない」という悲しい結論に。
テッセレーションを活かしたいのならば、それを前提にローポリで(さらにテッセレーションを前提にした形で)データを作っておかないといけないのではないか。ということでした。

「10ヵ月でHDゲームを開発する方法 〜龍が如くを支えたテクノロジ〜」

「開発環境」「基礎技術」「デバッグ」の3章仕立てで、それぞれ効率化の話を聞かせてもらいました。


“開発用”マルチプラットフォームという形で作っており、PC上でも「PS3とほぼ同じ環境で」動作するようになっているそうです。
この「PS3のほぼ同じ環境で」というのがなかなか面白くて、メモリ使用量などもできる限り同じにしているそうです。
要は、リリースのためにPC版を作るのではなく、PS3の代替機としてのPCも対応したという感じでしょうか。


また、デバッグ機能のオートでバグレポートを送ってくれるシステムはちょっと惹かれました。

アジャイルは使い物になるのか?」

本日の“アジャイル枠”です。(今回は毎日1セッションずつアジャイル枠がある)


スクラムを導入してる方、似たような思想で運用している方を集めてのパネルディスカッションでした。
内容的には「アジャイルは使い物になるのか?」というよりも、「アジャイルを導入してみてどうだった?」みたいな感じでした。
話の内容もよかったけど、雰囲気が楽しかったですw


各社、割と上手く運用できているようで、効果も実感できているということでした。
以下、メモより抜粋。


・長いミーティングがなくなった
Excelからポストイット
・指示する側は指示することに慣れている。指示される側は指示されることに慣れている。スクラムを実施して、両方に変化があった。


終わった後、モデレーターを務めていたスクラムコーチのエマーソン・ミルズさんと少しお話させていただきましたが、とても変な面白い方でした!
アジャイル界隈の方はみなさん熱くて、話してて楽しいです。

その他

ノートPCを持って行っていたので、Twitterでリアルタイムでいろいろつぶやこうと思っていたのですが、無線LANが通じない場所が多くて残念;;
明日もたくさん勉強して議論を交わしてきます!

「知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ」

古い本ですが、なかなか面白かったです。
とくに前半。